454人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
「加山に、何言われたの？」
加山達が居なくなって暫くしてから、糸川の様子を気遣いながら、聞いてみた。
あんなに真っ赤になるなんて、何を言われたのか、めっちゃ気になる訳で…。
「……。」
って、答えてくれるわけねーか。
「かなり困ってたもんな…変な事聞いてごめん」
これ以上、糸川を困らせたくなくて、質問を引っ込めた。
「……ゆ、由香ちゃんが…」
暫く経ってから小さな声が聞こえた。
「えっ？」
驚いて糸川を見ると、目が合ったけれど、直ぐに視線を外されてしまった。
「加山が？」
さっきの続きを促してみたけれど、糸川は頭をフルフルと振るだけで答えてはくれなかった。
「まぁ、いいや。
糸川の声が聞けただけでも嬉しいし…」
本当は少し残念だったけれど、俺に伝え様としてくれた事が嬉しくて、糸川の頭を撫で回した。
最初のコメントを投稿しよう！