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「…あ、あのっ…髪っ…」
暫くされるがままだった糸川の声で頭を撫でていた手を止める。
「あ、ごめん。」
くしゃくしゃになった髪を整えてから手を離すと、糸川は自分の髪を手で梳きながら、恥ずかしそうに俯いた。
「髪ちゃんと綺麗に直したよ。そんなに信用ない?」
いつまでも髪をいじっている糸川に拗ねた風に言えば、真っ赤な顔を上げて、慌てた様子で
「ち、違っ…そんなんじゃ…」
と、必死に誤解を解こうとしている糸川。
その必死さが、めちゃくちゃ可愛くて、もっと虐めたくなるけど…。
「糸川が話してくれたから、許してあげるよ」
ニッコリ笑って言えば、糸川は少しほっとした顔をした。
自分がからかわれてたって事に気付いていない糸川の素直さが可愛いと思ったのと、ちょっと罪悪感。
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