2/8

454人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
「ねぇ、糸川さんって、及川くんと付き合ってるの?」 昼御飯をいつもの様に済ませて、教室に戻って席に座ると、糸川に話しかけるクラスの女子。 確か、早間って名前。 糸川の方を伺えば、小刻みに頭を振る糸川が見える。 これ以上無いってくらいの否定っぷり…。 確かに付き合ってないけど、そんなに頭振られたら結構へこむんだけど…。 「え~、違うのぉ…。 だって、めっちゃ仲いいじゃん。」 「……――。」 「えっ?」 良く聞こえなかったけれど、聞き返す早間の声が聞こえた。 まさか、糸川が困って泣き出してしまったんじゃ…。 心配になり、慌てて糸川の元に行って声をかけた。 そもそも、そんな事を聞かれる羽目になったのは俺のせいだし…。 「どうした糸川? 大丈夫?」 「…だ、大…丈夫です。」 何故か敬語で返事が返って来た。 糸川を見ると、俯いていて顔は見えない。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

454人が本棚に入れています
本棚に追加