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「ねぇ、糸川さんって、及川くんと付き合ってるの?」
昼御飯をいつもの様に済ませて、教室に戻って席に座ると、糸川に話しかけるクラスの女子。
確か、早間って名前。
糸川の方を伺えば、小刻みに頭を振る糸川が見える。
これ以上無いってくらいの否定っぷり…。
確かに付き合ってないけど、そんなに頭振られたら結構へこむんだけど…。
「え~、違うのぉ…。
だって、めっちゃ仲いいじゃん。」
「……――。」
「えっ?」
良く聞こえなかったけれど、聞き返す早間の声が聞こえた。
まさか、糸川が困って泣き出してしまったんじゃ…。
心配になり、慌てて糸川の元に行って声をかけた。
そもそも、そんな事を聞かれる羽目になったのは俺のせいだし…。
「どうした糸川?
大丈夫?」
「…だ、大…丈夫です。」
何故か敬語で返事が返って来た。
糸川を見ると、俯いていて顔は見えない。
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