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「あ…のっ」
一人考え込んでいると控え目な糸川の声が聞こえた。
「ん?」
「そ…ろそ、ろ手、離してもらえますか?」
気付けば、ずっと糸川の頭を触っていた。
「あ、ごめん。」
さっと手を引くと「いえ…」と小さな声が聞こえた。
気まずい空気に耐えれ無くなり、「じゃあ」と自分の席へ行けば、ニヤケ顔の加山と目があった。
「…。」
「…何か言うことは?」
無言でいると、加山が苛立ちを隠さず告げる。
報告しろっていいたいんだよな…。
だけどここでは、加山の大袈裟な反応を考えると言いずらい。
「…昼休み、な。」
「了解」
とりあえず、それで手を打ってくれてホッとした。
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