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「ははっ、冗談だよ」 本当は冗談なんかじゃない。 出来る事なら、今すぐしたい。 抱きしめて、キスして…。 イヤイヤ、そんな事考えてちゃマズイでしょ?俺! 自分で自分を戒めていると、服を引っ張られた。 「ん?」 「…い、いーよ。」 糸川を見ると、顔を真っ赤にして呟いて、俯いた。 「え?ええっ!」 今度は俺が驚いて、声を詰まらせた。 「…冗談?」 しばらく経って、聞く。 糸川は俯いたまま、頭を振った。 じゃあ、本当にいいの? うわっ! 意識すると、何だか俺も照れ臭くなって…。 照れ隠しに、糸川の頭を撫でて、心を落ち着ける。 いいって言われて、『はい、そーですか』何て、出来ない俺は、ヘタレなのか?
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