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糸川、初めて俺に笑ってくれた時、話しをしてくれた時、俺に心を開いてくれた時、俺の気持ちに答えてくれた時、本当に嬉しかったんだ。
今もこうやって手を繋いで歩いている事が、信じられないくらい嬉しくて…。
「那緒、好きだよ。」
誰にも聞こえないくらいの声で囁けば、握った手をギュッと握りながら「…私も。」と答えてくれた。
糸川の手を握り返して呟く。
「この手は絶対離さない。
だから、覚悟しとけよ!那緒。」
「はい。」
授業開始前の予鈴が鳴る。
「ヤバっ!走るぞ!」
「えっ、待って!」
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