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晋助様…晋助様…この言葉を呼ぶと温かく切ない気持ちになる。
だって大好きだけど伝えられない…。
こんな近くにいるのにね…。
「晋助様~!!今日、夏祭りがあるッスけど…一緒に行かないッスか?」
「…。」
「ダメッスか…?晋助様の好きな花火もあがるッス!!」
「…来島ァ…行くからにはもちろん二人っきりだよなァ?」
「へ!?万斉や二蔵、武市先輩もいるッスよ?」
「…あ"ァ?」
「え?…あの…二人で行ってくれるッスか?」
「…ったりめーだろォ?」
「嬉しいッス!!」
「…そうか…じゃあ仕事終わったら電話する…」
………これが最後の会話だった。
そして晋助様からの電話はかかってこなかった。
そう…晋助様は死んだのだ…。
討ち入りした所で撃たれたらしい…
私が晋助様についていけば…盾になれたかもしれないのに…
そんな歯痒さと後悔が募る。
それでも時間は廻る…
花火が始まりそれを見る…。だけど違うのは隣に晋助様が居ないこと…
そして花火が散ってゆく。
私の伝えられなかった気持ちと共に…
儚く短い私の片思い…
END
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