第1章 中2の春

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雨は嫌い。 濡れるから。暗いから。 髪型がうまく、きまらないから。 理由は沢山あるようで、でもどれも違う。 ような気がする。 ‥‥とにかく雨は嫌い。 「リネ」 ザーザーと降りしきる雨の音に混ざって、彼の声が聴こえた。 「マキ君」 無理矢理あたしの赤い傘の中へと侵入してくる彼。 「傘は?」 「持ってねぇよ。あそこのコンビニで雨宿りしてたらリネが見えてさ!!慌てて追いかけて来た。」 無邪気に笑う彼を見てると、あたしの濡れる右肩についてなんて、怒る気になれなくて‥‥。 「‥‥‥‥」 思わず、 「入れてあげる」 なんて言ってしまった。
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