第1章 中2の春

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でも、彼のモテる理由はそれだけじゃなかった。 話した事もないあたしに、笑って話しかけてくれた。 「真北君じゃなくてマキって呼んでよ」 って言ってくれた。 そう、彼は優しい。 と言えば聞こえは良いが、単純に自信があるだけかもしれない。 俺を嫌う人間なんかいない。 みたいな自信が‥‥。 でもまぁ、人見知りなあたしは、その自信に助けられたけど。 「マキ君家ってどこにあるの?」 「何で?」 「いや、傘無いなら家まで送るから‥」 たまに触れる距離の肩。 「あー成る程ねー‥‥‥リネん家はどの辺り?」 ちょっと恥ずかしかったりする。 「え!?うち!?うちは、動物病院の近く」 「あ、じゃー近くじゃん!?俺も動物病院の近くに住んでる」
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