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「‥‥‥ここ、あたしん家」
隣の彼にドキドキしてたら、あたしの家の前だった。
「あ、まじで。じゃ、傘貸して?明日学校で返すからさ」
「あ、うん」
傘を彼に渡して慌てて玄関へと走る。
「じゃ」
「うん、ばいばい」
軽く手を振る。
「‥‥‥」
え、家、そっち?
彼は迷うことなく、来た道を引き返す。
「家、近くじゃないの?」
雨なんか気にせずに、道路に出て彼に叫ぶ。
そしたら彼は、小走りで戻ってきて、
「俺、そんな事言ったっけ?」
なんて無邪気な笑顔を向けてくる。
そっか、マキ君は、本当に優しいんだ。
本日2度目の相合い傘は、彼の優しさを感じた。
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