ギャルゲー

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何だよ、まだ何もわからないじゃないか。 『いいの!ストレートに告白さ』 チキンの僕の葛藤は頭の中で何時間も行われていた……。 相野さん、今行くよ。 僕は相野さんの席へ行った。 「あ、相野さん!」 「ん?どうしたの?」 近くにいた本間さんも不思議そうに僕を見る。 は、恥ずかしい……。死んでしまいそうだ…………。 しかし、僕は気にしないで口を開いた。 「は、話があるから、放課後、図書館前に来てくれない?」 「話?……うん、まあ、いいよ」 「どうしたの?優羽。」 「ゲームの話だよ、ね?」 「……。じゃあ、待ってるから」 放課後。 僕は一人で待っていた。もう、後には引けない。 そして、 「ごめんね、ちょっと遅れちゃった」 「あ、あの……」 「えっと、何の話だっけ?」 「その……」 くそ、いざとなったら口が開かない。細い糸で縫っているみたいだ……。 「どうしたの?」 落ち着け、いける。 「僕、相野さんが好きなんだ」 …………。 ……。 「……ふぇ?」 相野さんは顔が真っ赤になっていた。 「え…、その、本気なの?」 僕は静かに首を縦に振った。 しばらくの間、沈黙が続く……。 何分か経つと、相野さんの目から数滴の涙が落ちた。 「……」 彼女は何も言わずに去ってしまった。 え……。 僕、フラれたの? はは、はははは 城くんの言うとおりだ。やめておけばよかった。 僕はただの勘違い野郎だ……。これはギャルゲーではない。 リセットはできないのだ。
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