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いろいろと思い出したため、また涙がこぼれる。
夕焼け空の下で私は1人、公園のベンチでボーっとしていた。
「もう恋なんて……」
まさか、王君に告白されるなんて思ってもいなかった。
私のどこがいいんだろう……。
近くでは子供たちがボール遊びをしていたが、ぼちぼちと帰って行った。
いつの間にかあたりは真っ暗になっていたことに私は気付かなかった。そして、携帯で時間を確認する。
「あ、もうこんな時間……でも、帰る気分じゃないよ」
私はベンチに寝っ転がり、空を眺める。そこには月だけが顔を出していた。
「綺麗だな……」
「あ、こんなところにいた」
「……加衣奈!?」
「加衣奈!?じゃないわよ。優羽のお母さんから電話があって探してたの」
「おお……それはそれは」
「ほら、帰るよ」
「む、帰りたくない」
「どうかしたの?」
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