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「大木 玲(オオキ レイ)です。もう忘れないでくださいよ」
「おお、悪いな。それより、ダチを待たせてるんだ。俺は行くぞ?」
「待ってください。黒ちゃん、新土居くんを連れて帰ってください」
「はい」
俺は大男に持ち上げられ無理やり車に乗せられた。
「おいこら、何の真似だ」
「新土居くん、家にいらしてください。お礼がしたいので」
「だから、ダチを……。ま、いっか、どうせ保也が何か企んでいただろうし」
「仲いいんですね、城くんと」
「昔、いろいろあってよ」
「へえ、よかったら聞かせてほしいです」
「あれは、中学生の時だったかな……」
~保也side~
駅には計さん以外のメンバーはそろっていた。
「計さん、遅いなーー」
「何かあったのかなーー」
「私、あの人……苦手」
それにしても時間に厳しい計さんが遅刻するなんてあり得ない。また、ケンカしてなきゃいいけど……。
「どうする?相野さん、本間さん。主役が来なきゃ意味ないけど……」
「私はもう少し待ってみる。新土居くんがどうして不登校になったか知りたいし」
……まさか、相野さんが原因とは言えないよな。
「優羽がそういうなら、私も待ってあげる。……それにしても待ち時間、暇だね」
確かにそうだ。じゃあ、ここはイケメンの話をして女の子たちを盛り上げ……
「ねえ、ずっと気になってたんだけどさあ」
と相野さんが口火を切った。
「うん?」
「城くんってどうしてそんなに新土居くんと仲がいいの?」
「……私も知りたい。どうして、あの怖い人と一緒にいるの?弱みでもにぎられているの?」
「こら、加衣奈!」
「ははは。計さんはね、僕を助けてくれたんだ。
あれは中学生の時だったかな」
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