入学式

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「……くん、…新土居くん」 ……ん? 俺は目をこすった。 ……あ、相野!? 驚いた俺は辺りを見渡す。 「……誰もいねーな」 「もう放課後だから、みんな帰っちゃった」 「んで?なんか用?」 「もぅ、…………マンガ」 相野は悲しそうな声で言った。 「ああ、マンガね、……ほらよ」 「あ、ありがと…」 少女は去っていった。 なんなんだ、アイツ……。 「ほほう、気になるのですな……」 「まあ、多少……、はあ!?てめえ、いつ現れた」 他でもない、保也がいたのだ。 「まあまあ、いいじゃん。せっかく、差し入れ持ってきたのに……」 「あん?」 保也は写真を数枚見せてきた。そこには相野の笑顔の写真が何枚もあった。 「ほい、おまもりにしな」 「い、いらねーよ」 「え?破ってもいいけど?」 保也は写真を破ろうとした。 「ま……まて」 「ほい」 「……」 って、なにもらってんだ俺は、変態か。 「感謝してよ?計さんは特別タダなんだから」 「お、おう」 複雑な気持ちで写真をもらった。 コイツが写真部に入ったらとんでもないことになりそうだな。
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