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「レオン、何か雪遊び知ってるのあるか?」
ふるふると首を横に振るレオンにあずまは一つ頷いて、雪を掬い上げた。
「こうやって雪を持って、相手に投げ合う遊び、雪合戦ていうんだ。ちょっとやってみろ。」
レオンはこくりと頷いて両手で雪を掬った。それを丸めて、あずまに投げる。
雪の量が多すぎて途中落下した雪玉にあずまが苦笑する。
「もうちょっと少なくていい。レオンだとこんくらいかな。」
雪を掬ってレオンの手に乗せてやる。レオンがそれをあずまに投げれば、緩やかな放物線を描いてあずまのコートに当たった。
今度こそあずまにあたって砕けた雪玉に、レオンが嬉しそうににこにこと笑う。
「他には?どんな遊びがあるの?」
新しい遊びを覚えるのが楽しいのか、次をせがむレオンにあずまは思案した。
そもそも自分は砂漠の生まれで雪も日本にきてから始めて触れたのだ。雪遊びには造詣が浅い。
雪遊びならムサシの方が詳しいのではないだろうか。
外に出ていつのまにか一人で雪と戯れていたムサシに声をかける。
「お~い、ムサシ。雪遊び何か知ってるか?雪合戦以外で。」
「えっとな、カマクラだろー、後雪ダルマ!」
「カマクラ・・?」
脳裏にオカマクラブが思い浮かび速攻で消去する。ぜってー違う。
「うん、雪山みたいに雪を積み上げてーそこに穴掘って洞窟みたいにすんの。」
「洞窟できるの?すごいっ」
レオンの賞賛にムサシが得意げに笑う。
「じゃあ一緒に作ろうぜ!」
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