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「ご馳走様でしたっ。」
レオンが差し出したカップを受け取りながらセレが尋ねる。
「次は何をするんですか?」
「えーと、あ、ムサシお兄ちゃん、さっき言ってた雪だまるって何?」
「まぁ雪は喋らんわな。」
揚げ足をとる天翔にセレが顔面に裏拳を食らわす。
「雪だるまのことですね。皆で大きいの作りましょうか。」
顔を抑えて悶絶する天翔をよそにカマクラからでたレオンは、ムサシの袖をひいた。
「ねね、やり方教えてっ。」
「お~し任せろ!まずな、雪を集めるだろ?で、それを丸めて~、次に上にもう一個小さめの丸いの乗せて、完成!木の棒とか挿すと手みたいになるぞ。」
レオンはふんふんと頷いてから、雪でお団子を作り始める。
「ああ、レオン坊ちゃん、それじゃちょっと小さいな。でっかい玉作るには、こう玉を転がしていくんだよ。」
痛みから復帰した天翔が玉を転がして見せながら補足する。
「せっかくだから大きいの作って元光坊ちゃん驚かしてやろうぜ。」
天翔の言葉に大きく頷いて雪玉を転がしはじめたレオンに、あずま達も加勢する。
「皆で転がすか!」
序盤こそ子どもでも転がせるが、あの生意気な元光を驚かせるほどのでかさとなると相当な大きさが必要である。
レオン一人では不可能だろう。
全員で雪玉を転がすこと15分。
・・・・直径5メートル程の雪玉と頭となる直径4メートル程の雪玉ができた。
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