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早く食事を食べて外で遊びたいのだろう、しきりにそわそわと窓の外を見ている。
セレはその様子に苦笑してできた料理をテーブルに並べた。
「いただきます!」
急いで食べるレオンにバットが視線を向ける。
「おい。あまり急ぐな。雪は逃げん、よく噛め。喉につまって死ぬぞ。」
物騒なバットの言葉にあずまが苦笑いする。
「う、うんっ」
慌ててもぐもぐと口の中のものを咀嚼しだすレオンに天翔が笑って言う。
「まぁ、逃げないけど溶けはするよな。」
天翔の言葉にレオンがショックを受けたような顔をする。
慌てて噛むスピードを速めたレオンに、セレが笑顔で語りかけながらテーブルの下で天翔のすねを蹴り飛ばす。
「大丈夫ですよレオン君、今降っているんですからまだ溶けません。これからもっと積もりますよ。」
ほっとした様子のレオンに笑いかけるセレに、天翔が恨みがましい目でセレを見る。蹴られたすねが滅茶苦茶痛い。
それに気付いたセレが隣に座る天翔にしか聞こえない音量で呟く。
「レオン君にいらんことを言うなクズが?」
笑顔のまま前を向いて言うセレに天翔は引き攣った笑みを浮かべる。
明らかに周りと自分とで態度が違うのは親友だからこそだろうが、さすがにクズはないだろう。
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