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朝食を摂り終わったレオンは、両手を合わせてご馳走さまをすると元光の袖をひっぱった。
「ね、元光お兄ちゃん、外行こう。」
元光は眉をあげた。
「何で寒いなかわざわざ僕がお前の相手を・・」
「それはいいですね。子どもは外で遊ぶべきです。ね、元光くん。」
セレがにこやかな笑みで言う。
その裏の無言の圧力を感じ取った元光がセレを睨む。
「~っ僕は子どもじゃない。」
「ああそうか、餓鬼だったな。」
「なっ!?」
横から口出ししたバットに元光が席をたつ。
そのまま反抗しようと口を開くとレオンが慌てて間に割って入った。
「ふ、二人とも喧嘩しちゃ駄目、だよっ」
「「・・・・・・。」」
9歳に怒られた23歳と15歳は思わず黙り込んだ。しかしその顔にはありありと「何で自分が怒られる」と不満げな様子が書いてある。
それを見て取ったあずまは思わず吹き出しそうになるのを堪えた。
自分でさえ手を焼くこの二人を黙らせることができるのはレオンしかいないかもしれない。
元光は小さく溜息をついてレオンの頭に手を置いた。
「分かったから早く行くぞ。」
レオンはその言葉に満面の笑顔を浮かべて頷いた。
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