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二人でダイニングを出ていくのを見送ったあずまは食器を片付け始めたセレを手伝いながら声をかけた。
「セレ、温かい飲み物用意しといてくれ。…外寒いし。」
それが誰のための飲み物か察したセレは二人がでていった方を見やってからうやうやしく頭を下げた。
「かしこまりましたあずま様。」
それから食器を片付けるあずまの手からやんわりと食器を取り上げる。
「あずま様、このようなことはそこの大飯タダ食らいの居候にやらせればいいのですよ。」
大飯タダ食らいの居候扱いされた天翔は反論しようとしたがそのまま口を閉じた。レオンに仲裁されたからではなく。
…残念なことに反論できない事実だからだ。
「え、いや、三人でやった方が早いだろ?」
あずまがそういって違う食器を手に取る。
セレと比べるとあずまが聖人かなにかのように見える天翔である。でもできればどれか一つでも否定してほしかったのだが。
「悪いあずま坊ちゃん。今手伝う。」
セレの冷ややかな視線を感じた天翔は慌てて席をたって食器を片付けた。
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