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「!すみません、愛子(まなこ)様」
「痛かったわっ!どうしたの?考え事でもしたのかしら?」
…考え事。
私はたじたじに答えた。
「愛子様は立派になられましたね。そう考えていました」
再度髪を梳かしながらそう答える。
「…ねえ、河村、私貴方が好きよ」
「…」
彼女は口癖のようにそう、囁く。
「…またそれですか。いい加減あなたの専属執事をやめてしまいますよ」
「嫌よっ!河村はずっと私だけのもの!」
駄々をこねる子供のように貴方は。
19歳になったばかりのまだ未熟な貴方。
私は24歳になる。
さっき私は彼女に恋心を抱いていると言ったが
彼女の申し出を断ったのはこれで20回くらいだ。
「ねえ河村。貴方も私を好きでしょう?」
この質問に答えられない。
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