第一章 存在意義

4/45
前へ
/55ページ
次へ
牢に放り込まれ、それと同時に分厚い本も投げ込まれた。表紙を見ると、『LODの基本知識』と書かれていた。 兵士 「牢から出たかったら、そいつを読んで、ロッド部隊に志願することだな。」 兵士はそう言って扉を閉め、南京錠を掛けた。 ヘル 「……… ま、暇潰しぐらいにはなるだろうな。」 どうせ入る気なんてないし、今は戦時だから、ここがいつ墓場になるのかもたかが知れてる。 俺は本を手に取り、最初から斜め読みで読み始めた。 ロッドとは、人類を超越するなんたらかんたらや、ロッドを操縦するのは、憲法何条により、軍人のなんとかにのみどうとか、やたらくそ長ったらしい文章が並んでいる。 とそこに、先程俺に牢屋行きの命令を下したバルド少尉がやって来た。 バルド 「ロッド配属を拒否したわりには、ロッドの本を読むなんて、どういうやつなんだ?」 ヘル 「ただの暇潰しですよ。 いつ攻撃されるかわからないここで、できることなんてこれくらいですし。」 それを聞いて、バルド少尉は苦笑しながら「それはそうだな。」と言った。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加