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バルド
「俺は、ほんとはこんなことしたくないんだがな……」
バルド少尉がいきなり申し訳なさそうに言ってきた。
ヘル
「……?
配属拒否は立派な違法ですよ?何でアンタがそんなこと言うんですか?」
バルド
「実は俺も昔、ロッド部隊配属を拒否したやつなんだ。」
バルド少尉は言った。「自分と同じやつだ」と。だからあのとき、仕方なしに言ったのか。
バルド
「家系が軍人一家でな。だけど、どれも海空の戦闘機部隊に配属されてな、ロッドに配属されたのは俺が初めてなんだ。
何もわからなかったし、何より戦闘機より死率が高いって言われてたから、入りたくなかった。
そんな俺が、今やロッド部隊の少尉をやってるなんて、皮肉なもんだ。」
自分に皮肉を言っているが、俺にとってこの人は、国に狂わされた仲間だと思った。
バルド
「名前を……教えちゃくれないか?
知ってると思うが、俺はバルド・マフィーラ。お前さんは?」
ヘル
「ヘル・メシア、一般学生です。」
バルド少尉は「よろしく。」と言って手を伸ばしてきた。俺はその手を握り、握手を交わした。
その直後………
ドォォォォォォォン!!
兵士
「少尉、大変です!!
やつらが攻めてきました!!」
爆発音と共に、俺が牢屋送りの根元となる兵士が息を切らして来た。
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