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バルド
「何!?
やつらがもう来ただと!?」
やつら……俺たちの敵……
ヘル
「うっ!!」
突然、俺の頭に頭痛が走った。時々襲いかかってくる痛みで、何で来るのか全然わからない。
バルド
「……!?
君、大丈夫か!?」
バルド少尉が声をかけてきた直後、痛みが徐々に引いていった。
ヘル
「だ……大丈夫です。
すいません、心配をお掛けして……」
バルド
「いや、大丈夫ならいいんだ。」
兵士
「少尉、そんなガキよりも、早く撤退準備を!!」
兵士に急かされ、少尉は舌打ちをしてから命令した。
バルド
「すぐに撤退、及び他の学生、市民の避難を行え。
誰であっても必ず助けるんだ!!」
少尉の命令を受け、兵士は「はっ!!」と答えて走っていった。
ヘル
「さて、俺の命はあと何時間ですかねぇ?」
バルド
「何言ってんの?
君も一緒に逃げるんだよ。言ったろ?“誰であっても助けろ”って。」
バルド少尉はそう言って、牢の鍵をはずした。
ヘル
「……何で、何でそこまでやろうとするんだ?」
わからなかった。
たかが同じ境遇の人間に、反逆罪に匹敵する俺に、ここまでやる意味が理解できなかった。
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