1話目 一本杉の花子さん

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そして、上体を起こした事によって見えた革靴を履いた黒のハイソックスに包まれたシュッとした足。 更に上を見上げると赤のチェックのスカートに薄い橙色のカーディガン。 くりっとした深海のような青い目に肩ぐらいの長さの銀髪の女の子が目の前に立っていた。 「あっ。やっと起き上がった」 彼女は僕が起き上がって嬉しそうだ。 「もう一度聞くけど、何で私に触れる事が出来たの?」 僕は彼女の質問が耳に入ってこず、ずっと考えていた。 僕が前から見てきた幽霊と全然違う。 僕が今まで見てきたのは死んだときの状況により、やけどしていたりどこか折れていたり、またはどこも目立った外傷が無いのもいた。 でも、決まって共通点はあった。image=442779156.jpg
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