1話目 一本杉の花子さん

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そこで最後にハンバーグの切れ端を食べた。 「こうしてどうどうと目の前で食べれるのが嬉しいんだ」 彼女は僕に笑いかけた。 彼女はごちそうさまと言って皿を流しに持っていった。 人に喜んでもらったのは家族を覗けば初めてだ。 なんだか久しぶりだな。 僕は味噌汁をすすった。 その後、食器を片付けて下に降りることにした。 「ねぇねぇ。どこに行くの?」 「下の蔵書だよ」 「ねぇ。私も一緒に行っていい?」 どうせ、拒んでもついてきそうだから僕は頷いた。 「うわぁー!たくさんある」 彼女は子供のようにはしゃいだ。
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