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「ろんもち!!」
「もちろんやろ、ばーか」
すかさずレイのツッコみ。ルカがむー、なんて……むくれてるね、こりゃ。
ルカはヨーロッパ圏生まれだから、日本語がたまに狂っちゃうんだよ。
可愛いけどね。
「俺の魔術の解除スキルと、ルカが歯の裏に仕込んどいたヘチマで脱出か……」
レイは自分の手枷と壁を繋ぐヘチマが巻き付いた錆びた鎖を手でひきちぎりながらぼそって言う。
「我ながらもちっとまともな案なかったかね……?」
チャリ、って鎖が切れた音が静かにこだまする。
「しょうがないよ。あたしらの天才軍師サマのレイの案でさえこれなんだし」
ルカが完全に睨みながら、刺々しい言葉でレイを攻撃してる。
チャリ、ルカの鎖もちぎれた。
「ってかレイさぁ、この手枷、足枷のせいで魔術使えないんだけど……どーする気?」
「そんなん牢出てから考えろや!!」
……あれ?ウチのまだちぎれない……?
もしかして、まだ劣化しきってないのかも!?
「ど、どしよ!?」
急速に手に汗をかいて余計に滑る。焦ってうまく鎖が掴めない。
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