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「お前何焦っとんのん?」
レイが覗きこんできだ。
「え、えと、鎖がちぎれなくて……。まだ劣化しきってないのかも」
「はぁ?んなわけないやろ。かしてみ!!」
レイがウチの鎖をちぎろうとしてくれた。
力の入れ具合の関係で、ウチにおっきな背中を向けている。レイって頼れるお兄さん的存在なんだよ。
ルカはレイと喧嘩が多いけど、レイはウチの願いを聞いてくれるお兄さん。
チャリ
「ほら、ちぎれたやろ?」
そのおっきな背中もきっと頼れる証……
「おい、メイ!!」
顔の前に迫る……手?
「わっ!!なゃ、なゃにも思ってなゃいよ」
顔を軽く摘まれた……イタイ。
「なんのことや、はよ行こ」
なんだかんだで、レイが牢から出ようとすると弾き返す魔術を解いて、ルカがヘチマで壁とウチらを繋ぐ拘束を劣化させる作戦は実を結びましたとさ。
めでたしめでたし。
……じゃなくて!!
どーしよ。
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