2.犠牲

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一年後、新しい子供がいつものように新しい子が孤児院に入ってきました。 女の子でした。 子供達も大人達も歓迎しました。 いろんな子と遊び、手料理はとてもおいしい。 女の子は大満足でした。 でも女の子は気づきました。 どうやら様子がおかしい。 部屋の隅では、あちらこちらでジャンケン大会。 大人はその様子を楽しげに眺め、子供達は笑みが薄れるほど真剣な眼差し。 そして負けてしまった子は顔を真っ青にするのです。 負けた子は負けた子同士でさらにジャンケン。 女の子は近くの男の子に尋ねました。 「何でジャンケンをするの?」 男の子は答えました。 「ルールだからさ」 「どんなルールなの?」 「負けた子は罰ゲームなんだよ」 「どんな罰ゲーム?」 「そんなの知らないよ」 男の子の目は笑っていません。 女の子は訊くのが怖くなって黙りました。
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