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凛弥が出してくれたのはハンバーグ。
周りには色とりどりの野菜が盛りつけられ、見た目も綺麗。
空腹限界状態の今の俺を刺激するには十分すぎる料理だった。
『いただきます』
ぱんっと手を合わせ、さっそくハンバーグを口に運ぶ。
『うまっ!』
シンプルだけど、ふわっと優しい味が口いっぱいに広がる。
『そう。ならよかった』
『一応礼ってことで俺らの奢りな』
四角いテーブルを挟んで、向かいに座る2人。
あまり同年代の人と関わることがないため、少し緊張する。
『ったく!今日は変な奴が多いな、お前も含め』
テーブルに頬杖をつきながらダルそうな口調で刹汰が言う。
オッサンかお前は
『人のことを不審者みたいに言うな』
『十分変だろ。黒づくめだし』
『やめろよ刹汰。そんなに変な人に会ったの?』
凛弥が首を傾げる。
『さっき買い出し行ったとき、ピリピリした空気の奴らがいたんだ。それもかなりの人数。ありゃー、なんか追ってるな。気配消そうとしてんのが逆ににおうっつーか、そんな感じがした』
ギクリと体が震えた。
動揺が表に出ないように無理やり押さえ込む。いつものように、冷静を繕えばいい。それだけ。
『へぇ、なんか物騒だな』
『最近、国に逆らおうとしてる過激派もいるらしいしね』
『ふーん…。あ!』
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