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俺、楠木末広(くすのきすえひろ)は高校二年生に進級してからひとり暮らしを始めることになった。
両親は仕事で海外へ行くことになり、俺のことは『もう大人だから』と特に考慮されず家に残された。
俺は家のことは親に任せきりな生活だったので、それなりに今後を心配はしていた。でも俺のことはご近所さんで親しい女の子に両親がお願いしていた。
遠慮なく引き受けてくれたけど、俺は密かにとまどいがあった。
だって、俺はその女の子のことが……。
ジリリリリリリッ!
ベシッと目覚まし時計を止める。ベットから上半身だけ起こすと、しばらく微睡みから回復を待つ。
なにか夢の中では昔を思い出しそうになっていたが、結局は頭の中には残らなかった。
そのもやもやも部屋のカーテンを開けて、朝日を浴びて霧散させようとした。
今日は7月7日。もうすぐ夏の暑さを感じさせるほど、外の日差しが強くも感じる。
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