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「あっ、さっきまでまだ寝てたでしょ?顔を見ればわかるんだから」
「そうだけどさ、いつも来るより早かっただろう」
「……それは、これを見せたかったからっ」
「え?」
なにか出てくると思ったらその場でくるっとターンを決める。
格好としては膝上丈のスカートを翻して見せて、白いブラウスと首につけてる指定リボンという学生服。
「あ~、夏服に切り替えたのか」
「うん、あと髪も下ろさずに結わいてるんだ」
亜希ちゃんは後ろ向きになって、頭を前に傾ける。
肩にかかるくらいだった髪を後ろで二つ結びにして、首もとのうなじを見えた。
自分より年下、背も頭ひとつ低い、去年まで中学生でまだ幼いと思っていた。でも高校生のメイクアップというのは、大人びたものへ変えるものだ。夏らしい様変わりに、俺も少しどきっとしたのもしかたない。
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