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「うんっ、でももうわたしたちは両思いでしょ!今日は7月7日の七夕の日で、織り姫と彦星様が通じ合うときと一緒に、わたしたちの仲ももう通じ合っていいと思うの」
それはまた俺から告白して欲しいというサインだと直感した。
そう気づいたところで、現在の俺は「ふんっ」と素っ気ない態度をとる。
「昔の話を持ち出すんじゃない。俺にとったら亜希ちゃんは大事な妹みたいなもんだ。あのときそう吹っ切れたものが変えられるはずないんだよ」
そう、あのときの気持ちを俺は失ったつもりだ。この心にもう恋するのが湧かないだけで、ちょっと胸が緊張するぐらいは女の子に対して誰にでもあるぐらいなものだ。
この心持ちでいたい。これで亜希ちゃんに対して通すつもりなんだ。
なのにひとり暮らしになり、お世話をするのが亜希ちゃんなのだから困った。普段の生活ばかりは頼るしかないからさらに困った。そしてこの夏は本気になると言われ、もう困り果てそうだ。
亜希ちゃんがもっと近い女の子になって俺に迫っているんだ。
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