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一条路センセイが、クイッと眼鏡を上げると海賊たちに向かって言った。
「ご父兄の方ですか」
動じないにもほどがあるぞ。
しかも、ボケの方向性、真里菜といっしょだし。
海賊たちは、がしょがしょと話し合ったあと、ラッパみたいな形をした道具を取り出した。
「オレたちは、ゴフケーとかいうもんじゃねえ。オレたちは泣く子も黙る宇宙海賊シャーク団。そして、こちらにいらっしゃるのが、偉大なる船長、キャプテンシャーク様だ」太った海賊が、ラッパを口につけてしゃべっている。
なるほど、あのラッパは、自動翻訳機というか、どらえもんの秘密道具みたいなものなんだな。
一条路センセイは、この驚くべき言葉に対して、はあ?という顔で、耳に手を当てている。
そう、一条路センセイは耳が遠いのだ。
こういう状況だと、ある意味最強だなこのひと。
海賊は仕方なく、同じ言葉を繰り返した。
生徒たちの間から失笑が漏れた。
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