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「ねえ、それあたしじゃないよ。あたしは花も恥らう16歳。六千年なんて……」
「見つかったのはいいが、これをどうすりゃいいんだ?このまま、持ってくのか?」
「このまま連れてって、オババに引き渡せばいいんじゃないの?きっと、なんとかなるわよ」
お前ら、ひとの言うことを聞け!勝手に話を進めるな!
「そうか、じゃあ」シャ-クが腕を伸ばした。
あっ、いやん。
たくましい男の人の腕があたしの腰に……って、悶えてる場合じゃなかった。
シャークは軽々とあたしを持ち上げると、肩に担ぎ上げた。
「こいつは、もらっていくぞ」高らかに宣言するシャーク。
一条路センセイは、クイッと眼鏡を上げた。
レンズがキラリンと光る。
「霞春香、一時限め、早退と……」
こら、早退じゃねえ。助けろ、ジジイ!
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