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そして、優が大輔に教えてもらう日になった。
「優!!やっときたか!!遅い!!」
「ごめんなさい………大輔君はこのゲームセンターに来るの初めてだよね?」
手を握る優……それを猛烈な勢いで払いのける大輔。
「案内してあげるの!!」
「何度、言わせるんだ!!お前と僕は格が違うんだよ!!仲良くなりに来た訳じゃないんだ!とっとと先導しろ!!」
「……わかった…」
優が落ち込み俯きながら太鼓の前まで連れていくのだ。
「ここだよ」
優が立ち止まり。大輔も止まる。
「まず、お前が叩いてみろ!!僕が『しかたなく』見てやるから!!」
仕方なくと言う言葉を強調する大輔。それを見て笑みをこぼす優。
いつもの光景だ。
一曲目は伝説の祭りを叩いた。
大輔が首を傾げる。
次は過激をやった。
「…?大輔君!?」
なんと大輔が優の手を握り動かしていた。
「太鼓の基本は交互だ。右で叩いたあとは左で叩く。」
「ねえ……大輔君……」
「黙ってきけ!!」
大輔が怒鳴る。
「優……お前は素質はあるんだ……だからあとは知識と練習だけなんだ」
「……!!」
いつもと違う大輔のキャラに戸惑う優。
「どうしたの大輔君……?」
大輔ははっとなって
「…今の話しは忘れろ!!いいな!!」
大輔はいつも以上に赤面して言った。
「大輔君てかわいいね。」
大輔がさらに赤面して、
「も、もう用はないだろ!!僕は帰る!」
帰ろうとする大輔を呼び止めた優が
「………大輔君がほめてくれてうれしいかったよ……?」
赤面した大輔が「勝手にしろ。」と言って帰ってしまった。
「大輔君……ありがとうね……君がなんて言っても僕たち友達だからね」
そうつぶやくと過激を自分の交互練習のためにやりまくりクリアしたので大輔にメールをうつのだった。
『件名 優しくて親切な大輔君へ
本文 大輔君!!大輔君のおかげで過激クリアできたよ?ありがとう!!大輔君がなんて思っても僕たちは大親友だからね!!これからもよろしくね!
添付ファイル一件』
添付ファイルは過激をクリアした証拠写真だった。
家に帰った大輔はメールを読んで、
「優……」
と虚ろに何度も叫ぶのだった
第三章 ツンデレラ大輔とデレデレラ優の過激な練習 完
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