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「ふう……上手になったと思ったけど……まだまだだったんだなー……
優が呟いたのを聞いた大輔は携帯をいじりながら
「お前なんかまだ話しにならない部類だ。」
と、答えて携帯の画面を見せる。
『日本一ドンダー決定戦』
と書いてあった。
「何これ……?」
優は首を傾げると大輔は「あほか」と言わんばかりに優の頭を叩いた。
「痛い!!」
優が頭を抑えて、二打目を防いだ。
「日本一ドンダー決定戦はドンダーの頂点を決める大事な戦いなんだよ。鬼を叩くドンダーなら知っとけよ。」
大輔の話しによると日本一ドンダー決定戦は予選二回を勝ち進むと全国大会に行けるらしい。
大輔は一回目の予選で大学生に負けて二回目の予選に何回やっても進めないらしい。
優は大輔の頭を撫でて、
「次の大会があるよ?」
というが大輔が優の手を払いのけて
「お前が言うな……」
「……?」
(なんで強く言わないんだろう)
大輔は首を振ると慌てて、
「こ、今回の予選一回戦は課題曲の中から一曲を選んで演奏する。課題曲は過激、さいたま2000、らんぶる乱舞、Don’t Cut(以下切るな)だ。」
「なんか過激以外は知らないや……」
僕は一曲づつプレイすることにした。そして思ったことをメモに書き込む
過激……偶数の16分が難しい
さいたま2000……序盤は簡単でも……後半が……
らんぶる乱舞……偶数16分とそこそこのスピード……多分、最難関
切るな……手が疲れる
「こんな感じかなあ……」
次の日、大輔にメモを見せた。
「そんなこと譜面を見ればわかるだろ!!」
「叩いちゃ嫌!!」
頭を抑える優。
「うーん……とりあえず、練習しかないな……」
優はにっこり笑って
「なら、一緒に」
「断る!!」
優が話し終わらない内に大輔が答える。
「う……まだ、最後まで言ってないよ……」
優が泣きそうな声で言うとなんと大輔は優の頭を撫でて、
「来週の日曜日に行こうか………。」
優は撫でられて笑みをこぼしその言葉に喜んだ。
それを見て大輔が我にかえるかのようにはっとなり、撫でていた手を慌てて戻した。
「俺は何を言ってるんだ……。」
大輔と優はまた一緒に太鼓をやりにいくことになった。
日本一ドンダー決定戦 その壱 完
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