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ドンッ!!
?「きゃあっ!!」
「うおっ!!」
曲がり角を曲がった時思いっきり人にぶつかってしまった。その拍子に尻餅をついてしまう。
「すいません!よく見てなくてっ!大丈夫ですか?...あっ!」
ぶつかった相手を見ると、今日からクラスメートとなった謎の美少女、月美 小夜さんであった。
小夜「こちらこそごめんなさいっ!急いでて前見てなくてっ!...あっ!」
「月美さん…じゃなくて小夜!ごめん、全然見てなくて!」
「冬樹くん?!こっちこそごめんなさい!大丈夫?ケガない?」
「俺は全然大丈夫!小夜の方こそ大丈夫?」
俺たちはしばらく大丈夫!そっちは?みたいな言い合いをしていた。曲がり角で何をしてるんだと少し思った。
ぶつかった拍子に小夜が持っていた物が散乱していた。気がついて拾おうとすると、これは…漫画?
「僕と俺との禁断の…」
「あ、あああああ///ち、違うの!これはその、て、店員さんに勧められたのっ///!」
いや月美さん。これ5巻って書いてありますけど。完全にリピーターじゃないですか。
それはまさしくBL誌!男の子と男の子がキャッキャウフフなラブラブを書いてあるマニア向けの漫画だった!
確かにこういうマニアな漫画を知り合ったばかりの奴に見られたら恥ずかしいよな。だがそれはわかっている。なので傷つけない言葉を選んで言った。
「い、いやまぁこれは個人の趣味だし、好きな物は好きでいいんじゃない?」
「……///」
もう顔から火が出るという言葉がピッタリな林檎顔で、とてつもなく恥ずかしがっている。これはこれでとても可愛いのだが、気まずすぎる空気が流れている。
「ほ、ほら俺も女の子同士とか嫌いじゃないし!」
何を言ってるんだ俺はあああ!!!テンパりすぎて何のカミングアウトしてるんだ!何で曲がり角で女の子とぶつかって百合良いですよね☆とか言ってんだ!バカか!バカなのか俺は!うわあああああああ。
「そ、そうなの?」
あれ?引いてないこれ?フォローのつもりで放った言葉が、思わずかなりの威力の火薬を含んでいた的な感じの引き方じゃないこれ?うわあああああ消えたいあうえおあ。
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