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HR内容は新学期の時間割りや、生徒手帳の新調だった。まぁ普通のHR。秋は生徒手帳に証明写真を貼るのを難しそうにやっていた。写真貼るだけなのに。
そしてさっきの休み時間に秋が困らせたあの子に謝りに行こうと、秋を連れて席をたった。
「あのー、ちょっといいかな?」
?「何ですか?」
また何か言いに来たのか、と言わんばかりに少し引き気味の顔をされた。だがめげずに話しかける。
「いやーあの、さっきこいつが君を困らせちゃったみたいで、ごめんね。」
俺は秋のためにきちんと謝った。俺が謝る必要はほんとはないんだが、まぁ何と言うか、話す口実?
?「別に大丈夫ですよ。ちょっと驚いただけなので...。」
「そ、そっか。なら良かった。あ、そうだ!良かったら名前教えてくれない?」
?「サヤです、月美 小夜。」
「つ、月美さんかー!綺麗な名前だね!あ、俺藤咲 冬樹!冬樹って呼んでよ!」
小夜「冬樹くん...。わかった。じゃあ冬樹くんも小夜って呼んで下さい。」
「わかった!よろしくね小夜!」
「う、うん...///」
そういうとちょっと恥ずかしそうに小夜は俯いてしまった。ほんとに大人しい子なんだな。
ふと振り返ると秋がいじけていた。
「なんだよ。俺だって小夜ちゃんと仲良くなりたいのに。冬樹ばっかり話してさ。俺のけものかー。寂しいなー。」
お前何歳なんだよ。だいたい謝るのはお前なんだぞ?俺が代わりに謝ったのに、なんでいじけてんだよ。
「小夜、こいつ秋って言うんだ。和泉 千秋、秋って呼んでやってくれ。」
そういうと小夜は秋に目をやって
よろしく。と一言言って俯いた。
何と言うか、完全に最初の1歩をくじいたな秋。小夜のお前に対する印象は悪いぞ。
「小夜ちゃんは彼氏とかいるのっ?」
早くも復活した秋はもう質問に入った。
小夜は驚いて顔を赤くしてそんなのいないと言った。
「いないのかー。小夜ちゃん可愛いのにねー。」
小夜はさらに顔を赤くして俯いた。もうほんと林檎って感じ。可愛い子だ。
「ほら、小夜また困ってるだろ。やめとけって。」
「あ、ごめんごめん。ま、小夜ちゃん仲良くしてくれいっ!」
グーサインを小夜に見せて秋は席に戻っていった。
「じゃあ小夜!よろしくな!」
「…うん。」
そんな会話をして、俺も席に戻った。
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