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俺が聞くと、おっさんは誇らしげに、
「それは僕が、………神様だからだ!!」
「………はぁ?」
ドヤ顔で神様とか言ってきたおっさんを、俺は侮蔑の目で見てそう返した。
やけにドヤ顔が様になってる。しかもちょっと溜めた所がなおウザかった。
しかもその内容がいきなり自分は神様だなんて内容なのだから、尚更訳が分からない。
こう言う時は、適当に返してさっさと終わらせるのが、俺の日頃の対応だった。
大体酔った親戚のおっちゃんとかが、こいつと似たようなことを言ってくる。
「はあ、そうっすか。それで、早く俺を帰してくれませんかねぇ。帰ってもう一眠りしたいんで」
この空間は、普通とは違う事は最初から分かっていた。周りは何も見えず真っ暗なのに、おっさん(神)の姿はやけにハッキリ見えるのだから。
だから、このおっさんが神様だというのも、あながちウソでは無いと、俺は思うことにした。
「残念だけど、それはできない」
は?こいつ今なんてった?それはできない?俺を帰さないってこと?
俺は思わず2m程後ずさる。
おっさんは不思議そうにこちらを見ている。
なんだ、そのそんな事は当たり前だとでも言う様な目は。まさかこいつ…
「ゲイか!?」
「いきなり何言ってんの!!?」
この反応…どうやら違った様だ。
「いやだって、いきなりあんたが『今日はもう帰さない』みたいな事を言ってきたからさあ」
「そんな言い方してないわ!!僕は『それはできない』って言ったんだよ!!」
…意味的には一緒じゃね?
「じゃあ、何で俺を帰してくれないんだよ?」
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