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「…ごめん!今日は一緒に行けないや」
「えぇ~!?マジでぇ~!!?」
だからうるせぇって女子生徒A~J。迷惑だってのがわかんねぇのか。I am 迷惑。
…シュンヤ君は日本人なので日本語しか話せません。
その後ユウシが女子達を必死に説得し、何とか先に登校して貰った。
そして、ユウシは気合いを入れるかのように両頬を両手で思いっきり叩き、俺に向き直った。
「…それで、どうすればいいのかな?」
またもや俺に聞いてくる。こいつはいつもそうだ。1人じゃ何も出来ない。だから俺に頼る。そのせいで俺が何回こいつにまつわる事件に巻き込まれたと思っている。
だが、こいつは今から異世界に行き、もう会うことはなくなる。
そうなると必然的に、こいつの世話をしなくても済むということになる。
それはとてつもなく清々しい事なのだが、そんな世話焼きもこれが最後かと思うと、少しは寂しく………
寂しく……
さみ……
…うん、やっぱ清々しいな!!
「とりまその魔方陣の中に入ればいいんじゃないか?」
みんな知ってた?とりまってとりあえずまあの略称なんだぜ!!
別にそこを略したってあんま変わんないと思うが。
「…うん、分かった。それじゃあ、行ってくるね」
「あぁ」
そう言った後ユウシは魔方陣の方へ向き直り、そちらの方へ歩を進めて行く。
何となく、その背中は逞しく感じた。
そして何か、言葉をかけてやらないといけない気がした。
「ユウシ」
ユウシが、魔方陣へ入る一歩手前で足を止める。
そして、振り向きこちらの言葉を待つ。
そんなユウシに、俺は心を込めて、この言葉を贈った。
「お前の母ちゃんで~べ~そ~w」
その言葉がきっかけなのか、そうでないのか。
突然、魔方陣の範囲が拡大した。
それも、ギリギリ俺を魔方陣の内側に捉えるまで。
その瞬間、俺の目の前は真っ白になった。
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