プロローグ

2/2

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
雨の日は好きだ。 自分の変わりに空が地球全体が泣いて、俺を励ましてくれているように感じる。 そして、俺は窓から身を乗り出して手を伸ばす。 とても暖かい。 おそらく、他人から見たら子供みたい…と思われるだろうが、男はきにしなかった。 しばらくして、男は体を部屋に戻し、窓を閉めた。 服が雨で濡れ、少し身体に張りついた感触がするも、男は着替えずに窓を閉めたままの態勢で固まっている。 そして、ずっと避けていたが、自分がやったんだと思い込み、ついに後ろに体を向けた。 そこには、血塗れになった女とまだ幼い男の子の体が静かに横たわっていた。 俺は正しかったのだろうか… そう男は、今にも消えるような声で呟いた。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加