705人が本棚に入れています
本棚に追加
「…あ、ごめ」
いきなり。
いきなり、手を離すひろくん。
いつもだ。
近寄りすぎて
離れすぎて。
頬を赤く染める君の目は
きょろきょろと泳いでる
なんのごめん?
オレの分からない次元で
線は引かれてる。
「ふん」
セットに向かえば
追うように君の視線。
素知らぬ顔して
たまには微笑んでみせて
付かず離れず、なんて
オレには得意分野だけど
そろそろウンザリだ。
このまま永久にこうなら
そんな予感さえして…。
百年だってこんなしてそうな
危うそうで安定したライン。
こんなの思わせぶりだ。
見え見えの好意で
カンタンに触れないで。
それが本気でも軽はずみでも。
後悔したって知らないからね?
.
最初のコメントを投稿しよう!