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どうしよう
腕の中の温もり。
何で抱いたんだ?
君は、俺の
うちに帰って
君にココアを出して。
ソファーに座ってた君は
ゆったりと笑って。
アリガト
薄手の袖が長いカーディガン。
少し隠れる、親指の第一関節。
唇尖らしながら飲む君。
目が離せなくなって、困った。
だから、顔を俯かせて…。
「ね…」
きしりと、
革張りのソファーが鳴った。
「え…?」
君がとても近い。
鼻先が触れそうなほどに。
甘い香りがした。
脳が糖分を欲してる。
だって頭が働かない。
キスして
ココア味の舌がねだった。
甘い
灼けるような
力の抜けた身体を抱き上げて
今居る場所まで、連れてきた。
仄かな灯りに
潤んだ瞳は光を散らして。
涙の筋が
腫れた唇が
紅潮する頬が
並び続ける素数。
無限大だったら、
もしそうだったら…。
答えの証明に百年も待てない。
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