視線

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「日曜に来たらそらこうなるって」 「そういや日曜やったね」 県下一、二を争う規模のショッピングモール《ララタウン》は年末でしかも日曜ともなればどのエリアも人の波であふれていた 「腹減ったー、先にめし行かね?」 「いいよ、何する?」 「安くて沢山食えるやつ…あー、ゲーセンよらね?」 「はいよー」 「本屋どこだっけ」 … ん? 返事がなかったので振り返る … そこには友人の姿はなく ただただ人の波が押し寄せていた 「まじか…」 キョロキョロと辺りを探るが 如何せんこの人の量! 改装が終わったばかりらしく 店の位置も様変わりしていてどこが目的地かわからない たまに辺りを見回す仕草が気になるのか 通り過ぎる人達からの視線が刺さる 「こんな中からどうやって探せっちゅーねん…」 たった今すれ違った人さえもすぐ見失うほどだった
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