視線

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すれ違う人すらも見失う人の海 年末の雑踏の渦 通路の向こうから 急に 視界に飛び混んできた 女の子らしいゆるいウェーブがかった茶髪 淡いピンクのフリフリスカート デニムのジャケットに 大きな茶色のバック ウエスタン風ブーツ 周りの音が聴こえなくなった 歳は同じくらいだろうか あ、若干メイク濃い? 目から入ってくる大量の情報の処理落ちで時間がスローに感じる なんだこれは あれか?運命の出逢い的なやつか? くだらない妄想をしてる間に 処理落ちしていた脳が働きだす 彼女との重なっていた視線は切れやかましい雑踏が帰ってくる 彼女はすぐに見えなくなった 目があってから姿を見失うまでが早すぎて何がなんだかわからなかった 近くにスウェットのお父さんらしき人がいたくらいしか情報が残ってない 「なんだったんだ?」 今自分に起こった事が今はわからなかった
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