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レイズィはシンの怒りの表情を、少し微笑みながら見つめていた。
レンは少し考えた後、レイズィに問う。
「でも、俺らはどうする?物資や人材はあるが……戦争するのか?」
レイズィは数秒沈黙したが、すぐに首を縦に振った。
「正直、あちらが自分から数を減らしてくれたんだ。これ以上の好機は無いね」
レイズィの言葉に、シンが不満そうな顔をした。
「戦争なんて……何も生み出さない」
しかし意外にも、その当たり前のように思える言葉はレイズィによって否定された。
「違うね。命を奪って悲しみや憎しみを生み出すのが戦争なんだ」
レンは持っていたコーヒーを飲み干し、カップをテーブルの上に置いて歩き出した。
「早めに準備させるんで、二・三日待ってくれ」
レンはそう言いながら、足早にアジトを出て行った。
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