アンチリブラルト

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同刻 帝都リブラルト リブラルト城 元老院室 「揃いも揃って何をしているんだ貴様らは!」 ヲーヴァが三人の隊長を、他の隊長達の前で怒鳴り散らしている。 「朝早く呼び出されたと思ったら、そんなことか」 三人の内の一人、サクアが悪態をついた。 「サクア」 三人の内の二人目、メイティがサクアを睨み付けた。 サクアは昔から忠誠心が無く、一言多い。 それでも実力のみで隊長に上り詰めた、現帝国軍一の強者なのだ。 そして最後の一人、カルヴァロが言う。 「先ほど説明した通り、我々は軍法に従ったまでです。『命を受けていても隊全体の危機に瀕する事態の場合は危機回避を優先に考え行動する』という規律があります」 カルヴァロの言葉に、サクアとメイティが「おおー」と声を上げた。 「今回、巨大な魔物が現れ、特にサクアのノーディス隊に甚大な被害を及ぼす危険性がありました。よって今回のサクアの迅速な対応は……」 「ええい!もうよい!ではお前ら以外の……何れかの隊で残党を追え!」 ヲーヴァは顔を真っ赤にしながらそう叫ぶと、メイティ達の後ろに並ぶ隊長達を順番に見た。
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