始まった暗闇

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藤本さんの遺体が見つかったのは今朝の事だった。 休み明け一発目の事件の被害者が藤本さんだなんて思ってもみなかったわけで、 ただこの光景に自分の目を疑うことしかできなかった。 雑草が広場一面に覆い茂ったこの場所で藤本さんは殺された。 呆然としている俺の周りでは、 他の刑事たちが普通の顔で現場を調べていた。 先輩が殺されて何も思わないのか、なんてそんなわけなくてみんないろいろな思いがあっても顔には出さずに仕事をしている。 そんなこと頭ではわかっているのに俺は周りの奴らに怒りを覚えていた。 周りの奴らがしていることはどう考えたって正しい。 俺のようにただ呆然としている奴なんかよりもよっぽど刑事としての仕事をしている。 けど俺はどうしてもこの現実を受け止められない。 俺には他の奴らみたいに割り切れない。 なんて未熟なんだろう。
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