始まった暗闇

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肌寒い季節が少しずつ暖かくなりつつある。 こんな何気ない日にも事件が起きて誰かが悲しんでいる。そう思うとどこか虚しくなった。 まずはやはり現場を再調査すべきだろうとあの広場へと向かう。 もう少しで着くからと少しだけ早歩き。 「..............?」 誰かが立っていた。 花を供えているのだろうか。 とすれば藤本さんと何かしらの接点があるのかもしれない。 さらに女性であるということは"さき"である可能性もある。 考えを巡らすうちに彼女は反対方向に歩き出していた。 「あの!お話を伺ってもよろしいでしょうか?」 驚いて振り返った彼女は不思議そうに俺の顔を見た。
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