咎人の行方

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彼は、この罰を受けてから一度も何も口にしていない。腹はその中身がないことを訴えることにも飽き、喉は枯れている上に凍りつき、かじかんだ肌はもう寒さを感じることも出来なくなっていた。それでも、この聖行を行うためにかけられた時止めの魔法によって、彼は生き続けていた。 彼は何度も辞めようかと考えた。実際、足を止めた回数は一度や二度ではない。それでもフレーゼ山を目にする所まで歩いてきた。 彼は、神殺し以外の、人間が悪行と思うことを全てやってきた。もっとも、神などはモスクモルのように全てが人間の手に触れられない場所に引きこもっているのだから、手の出しようもないのだが。そのような者が、いくら捕まったとは言え、このような殉教に粛々と頷くことがあろうか。
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